岡山県を代表する伝統工芸品「備前焼」。
窯元が集まる備前市はもとより、倉敷美観地区周辺にも多くの専門店があり、食器や花入れをはじめ、さまざまな商品が販売されています。
浅口市を拠点に活動している陶芸家、恒枝直豆(つねき なおと)さんも、備前焼の作り手の一人です。恒枝さんは2001年から2015年までの14年間にわたる北海道・富良野市での作陶活動を経て、2016年に浅口市に移住しました。
富良野市から浅口市に移住し、穴窯を構えた異色のキャリアや、伝統の枠に縛られない独自の備前焼作りへの思いを聞きました。
記載されている内容は、2026年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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目次
陶芸家・恒枝直豆さんについて
恒枝直豆さんは倉敷市出身で、現在は浅口市を拠点に活動している陶芸家です。
実家は倉敷美観地区にある「恒枝陶芸店」で、子どもの頃から備前焼をはじめとする焼き物や陶芸作家と近い距離で育ちました。

大学卒業後、会社員生活を経て備前焼の世界に入ることに。
修業の末、縁あって学生時代に長期滞在したことのある北海道・富良野市にて、2001年に陶芸家として独立しました。以来、2015年までの14年間、富良野市を拠点に作陶活動をしました。

その後、2016年に故郷である岡山県にUターン。
作陶活動に適した物件との出会いが決め手となり、浅口市に移住しました。
以来、自宅兼アトリエとして使っている11LDKの古民家の横に穴窯を構え、年に1〜2回のペースで作品を焼き上げています。

また、東京や札幌など各地での個展の開催や、笠岡市にあるシェアアトリエ「海の校舎」で開催されているマルシェイベント「うみの市」への出店など、作り手と買い手がコミュニケーションを図れる活動を続けています。

北の大地で紡がれた縁と、独自の作陶スタイル
恒枝さんの作陶スタイルは、備前焼の伝統的な技法をリスペクトしながらも、そこに縛られず新しい価値観を取り入れたものです。
これには富良野でのさまざまな経験が反映されていました。
富良野移住の原点となった有名カレー店
陶芸家になる前、恒枝さんは富良野の有名カレー店「唯我独尊(ゆいがどくそん)」で調理補助のアルバイトをしていました。ここでの経験は、現在の作陶活動などに影響を与えていて、明るい色合いの「料理が映える器作り」につながっています。

唯我独尊のマスター(当時)は、後に恒枝さんが富良野に移住し陶芸家として独立するきっかけを与えてくれた人物で、人を楽しませることに長けていました。
そのマインドは、恒枝さんが富良野時代に携わったクラフトイベント「ふらのクリエーターズマーケット」にて、実行委員長を長年にわたりつとめるきっかけにもなったと語ってくれました。
現在も各地でのイベントに参加しているのは、富良野時代に運営側の視点や楽しさを学んだことが影響しているそうです。
薪作りから準備する窯焚き
恒枝さんの使用している「穴窯」は、燃料に薪を使用する昔ながらの陶芸窯です。業者から薪を購入して使用する陶芸家が多い中、恒枝さんは原木からの薪作りを自らの手で行っていて、これも富良野時代の経験が生かされています。

富良野では薪の販売業者がいなかったため、自ら薪を調達せざるを得ませんでした。加えて、北海道には備前焼に使用するアカマツ(赤松)がなく、代わりにカラマツ(唐松)を使い薪を作りました。このときにチェーンソーや薪割り機の使い方を習得したことが、現在の薪作りにつながっていきます。
浅口市に移住後は、広島県産のアカマツの原木を調達し、富良野時代同様に薪作りを継続。1回の窯焚きで約5tの薪を使用するため、薪作りは約1カ月かけて行われます。
「仮説と検証」の積み重ねによる作品作り
陶芸の世界では「長年の勘」が重視されるイメージがありますが、恒枝さんのアプローチは極めて科学的です。愛媛大学工学部で化学を専攻していた経験から、実験に基づいた「理系マインド」が息づいています。
その最たるものの一つが「窯焚き」です。穴窯という温度制御が難しい環境下においても、可能な限り論理的な温度管理を行っています。

通常は、窯の横に設置したデジタル温度計で一定の温度上昇を刻んでいます。最終工程にて窯内部の温度を上げる際、使い捨ての温度計(ゼーゲルコーン)と自作の色見本(テストピース)を用いて、狙った温度域をピンポイントで捉えます。


その後、灰の溶け具合や断面の焼き上がりなどを総合的に判断し、火止めを行います。
完成後の「発信」にもこの感覚は生かされています。
定期的に出店する各地のイベントを「定点観測の場」と捉えて、来場者がどのような器を求めているかをデータとして収集し、次なる作品作りへのフィードバックとしているそうです。
これは、実験における「仮説・実行・結果・考察」がそのまま当てはまる作品作りであり、恒枝さんの作陶活動における大きな特徴の一つです。

「生活の中で使うと少し楽しい」器作り
恒枝さんの作り出す備前焼は鑑賞されるための置物ではなく、生活の道具として使われることを念頭において作られています。
例えば器は「料理をおいしく見せるための道具」であり、特徴的な明るいオレンジ色の濃淡の焼き色も、料理が映えることを意識した結果たどり着いた色味です。

また、普段使いでの使いやすさも考慮されていて、器を薄く作ることを常に心がけていると語ってくれました。
恒枝さんの作品は浅口市のアトリエの他、実家である倉敷美観地区の「恒枝陶芸店」で実際に手に取り購入可能です。
恒枝直豆さんに、浅口市への移住理由と備前焼作りへのこだわりについて話を聞きました。
陶芸家 恒枝直豆のデータ

| 名前 | 陶芸家 恒枝直豆 |
|---|---|
| 住所 | 浅口市鴨方町地頭上849-2 |
| 連絡先 | TEL/Fax:0865-44-3309 携帯:090-9758-6162 |
| 駐車場 | あり |
| 営業時間 | 留守にしていることもあるので、訪問時は事前連絡要 |
| 定休日 | 不定休 |
| 支払い方法 |
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| ホームページ | 陶芸家 恒枝直豆 |












































