羊毛を束ねて結び付けた、ふかふかの椅子敷き。倉敷の民芸店で見かけて、気になった方もいるかもしれません。
通称「倉敷ノッティング」と呼ばれる椅子敷きは、木綿の経糸に、160本もの羊毛を束にした緯糸を結び付けて織られており、英語の「結ぶ=knot(ノット)」を語源に持ちます。しかし、多くのお店で取り扱っているのは数点で、種類もそれほど多くありません。
「倉敷ノッティング」が年に1度、数十点の作品が一堂に会する作品展が開かれます。
倉敷本染手織研究所で学んだ作り手たちの作品が一堂に並ぶ「倉敷本染手織会作品展」が、2026年11月3日(火・祝)から倉敷民藝館で開催中です。今年は50人以上が出品し、「倉敷ノッティング」に加えて、大きなつづれ織りの敷物も並びます。
この記事では、倉敷本染手織研究所の石上梨影子さんに聞いた、今年の作品展の特徴と楽しみ方を紹介します。
倉敷本染手織会作品展の会場内は撮影禁止です。今回は特別に撮影許可をいただいています。
記載されている内容は、2026年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
「倉敷本染手織会作品展」とは

倉敷本染手織会作品展は、倉敷本染手織研究所の卒業生と研究生が手がけた作品を展示・販売する、年に1度の作品展です。会場は倉敷民藝館 1号館1階の特設ギャラリーです。
倉敷本染手織研究所は、1953年(昭和28年)に倉敷民藝館の初代館長、外村吉之介さんが設立しました。研究生は1年をかけて、糸を染め、紡ぎ、手で織る技術を学びます。

作品展を主催する倉敷本染手織会は、研究所の研究生と卒業生で作る会です。
会員は研究所を卒業した後も全国各地で織り続けています。「倉敷本染手織会作品展」は1953年の研究所設立以来、毎年開催されている恒例行事でもあるため、会員が仕事を見せ合う場にもなっています。
今回の出品は以下のとおりです。
- ノッティング
- つづれ織り
- 瓶敷
- テーブルランナー
- コースター
- 布小物
2026年の会期は11月3日(火・祝)から11月8日(日)までです。
時間は午前10時から午後4時30分までで、最終日の11月8日は午後3時までとなります。
会場での買い方
作品展の会場は入場無料です。作品は、その場で選んで買えます。
支払いは現金のみです。
倉敷本染手織研究所の石上梨影子さんにインタビュー

倉敷本染手織研究所 代表の石上梨影子さんに、今年の作品展について話を聞きました。
作品展には、どのような人が出品しているのでしょうか。
石上(敬称略)
倉敷本染手織研究所の卒業生が出品しています。
今回は50人以上が出品しており、今年研究所を卒業した人も出しています。
出品数は人それぞれです。作者の名前は記しておらず、小さなものから大きなものまであるので、数に大きな意味はありません。
今年の作品展の目玉や特徴があれば教えてください。
石上
今年は、つづれ織りの大きな作品が多く出ています。
全部、自然の色で、羊の毛の色そのものです。こういう大きい仕事をする人が出してくれました。いつもは、定番であるノッティングの椅子敷(いわゆる「倉敷ノッティング」)が多いんです。
作り手は、たぶん自分が欲しいものを作っていると思うんですよ。

倉敷ノッティングの柄は特徴的ですが、時期によってトレンドというか傾向などはあるのでしょうか。
石上
ノッティングの椅子敷きは一番人気です。
倉敷本染手織研究所ができた1953年から、同じものをずっと作り続けています。
柄もその頃から変わっていません。
こうしなさいと言っているわけではなく、教えはしますがあまりはみ出さないですね。たぶん一度は、他のこともやってみるんだと思うんです。でも、やっぱりいいものは決まってくるんじゃないかなと。これが強みになっていると思います。
今は若い人でも、椅子に敷くのが欲しいから、自分で作りたいと言って研究所に来る人が多いです。

他にも、会場で見てほしいところはありますか。
石上
大きな作品やノッティングの椅子敷きだけでなく、いろいろな小物や小さい敷物も豊富です。
大きいものから小さいものまで、これだけの人数が出しているので、種類もやはり多いです。来ていただければ、何か1つは欲しいものがあるんじゃないかなと思います。

毎回初日は行列になり、今(取材は11月3日)も多くのお客さまでにぎわっています。会期の途中で作品の補充などはあるのでしょうか。
石上
途中の補充はありません。
みんなが作って持ってきたものなので、全部一度に出しています。なので、会期の後半になると、作品が少なくなる時もあります。
選択肢が豊富という意味では早く来られる方が良いかと思いますが、これは巡り合わせだと思ってほしいですね。
「これがあって良かった」という人は、会期の終わり頃に来られた方でも多くいらっしゃいます。良い悪いはないのが良いところなのでしょう。だから、出会いだと思います。
幸い、作品の出来にはあまり差がありません。
図案もそれほど違うわけではなく、何年たっても同じようなものです。なので、その時に出会えたことを大切にしてほしいなと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。
石上
ぜひ、生活の一部に使っていただけるとうれしいです。
おわりに

過去に何度か足を運んだ倉敷本染手織会作品展では、見る度に「1つお迎えしよう」と思いつつ、種類の多さと価格に迷い、購入できずにいました。
しかし、今回石上さんに「巡り合わせ」というお話を聞いて、後日改めて足を運んでその時出会った作品をお迎えしようと決めました。
とはいえ、早めに足を運んだ方が選択肢が多いのは間違いありません。
11月8日(日)までの会期中、倉敷民藝館の特設ギャラリーへ、暮らしに迎え入れる1枚を探しに足を運んでみてはいかがでしょうか。










































倉敷本染手織会 作品展
住所:
岡山県倉敷市中央1-4-11
倉敷民藝館 1号館1F特設ギャラリー
開催日時:
2026年11月3日(火・祝)~11月8日(日)
午前10時~午後4時30分
※最終日は午後3時まで
入場料:
無料
※会場では現金払いのみ
Webページ:
倉敷民藝館 公式ホームページ
https://kurashiki-mingeikan.com/kashi2012.html