かつて、30~40軒ほどののり生産者がひしめき合っていた倉敷市の下津井地区。
しかし、厳しい自然環境や環境の変化、後継者不足などを背景に、現在営業しているのは片手で数えるほどです。
株式会社南條海苔(以下、「南條海苔」と記載)は、その数少ない1軒として、50年以上にわたり、のりづくりを続けてきました。近年では自社ブランド「鷲羽のり」の販売にも力を入れています。
のりづくりへの思いと、そのこだわりについて取材しました。
株式会社南條海苔について
南條海苔は、倉敷市下津井にあるのりの養殖・製造・販売会社です。

創業者は、現代表・南條雄二さんの父・岩松(いわまつ)さん。もともと漁師だった岩松さんが、仕事のない冬場の収入源として始めたのがきっかけでした。
事業の柱は、養殖・製造したのりを岡山県漁業協同組合連合会(以下、「県漁連」と記載)へ出荷することです。加えて2015年からは、自社ブランド「鷲羽のり」を展開しています。

代々受け継がれてきた知識と経験を生かして作られるのりは、県漁連主催の品評会でも高く評価され、最高位にあたる「農林水産大臣賞」を過去3回受賞しています。

自然と向き合いながら、のりが育つまで
1枚ののりができるまでには、どのような工程があるのでしょうか。
のりづくりの季節は、秋から冬にかけて。
まず、春から夏に準備したのりのタネを網につける「採苗(さいびょう)」から始まります。そして、網についたのりの赤ちゃんを海や水槽で育てる「育苗(いくびょう)」を経て、海水温が下がり始めるとともに、いよいよ養殖の本格的なシーズンを迎えます。

30cmほどに成長したのりを収穫したら、すぐに陸の工場へ。

洗浄・異物除去・熟成・成形など、いくつもの工程を経て、ようやく見慣れたのりの形になります。雄二さんによると、この時期は家族と協力し合い、仮眠をとりながら24時間体制で作業にあたるのだとか。

また、近年では温暖化の影響で海水温が上昇し、漁期が短くなっているそうです。さらに、食害(鳥や魚が養殖中ののりを食べてしまうこと)によって、収穫量が減少する被害も出ています。
のりづくりの現場では、こうした昔にはなかった苦労も増えているそうです。
南條海苔が届ける、こだわりののり
南條海苔が手がける商品の一部を紹介します。
一番摘み・二番摘みにこだわる「鷲羽のり」

南條海苔の自社ブランドである「鷲羽のり」には、収穫シーズンの初めに採れる一番摘み(初摘み)・二番摘みののりだけが使われています。その特徴は、やわらかく、舌の上でとろけるような口どけの良さ。そして、一目見て「濃い」と感じる黒色と、しっかりとした磯の風味です。
素材の魅力を生かし、味付のりや焼きのり、韓国のり風塩のりなど、さまざまな商品に姿を変えて届けられています。

のりは1度収穫した後も再び成長しますが、収穫を重ねるごとに少しずつ硬くなっていきます。南條海苔では、ワンシーズンでの収穫回数はおよそ8回。中でも最初に採れる一番摘みは、後半と比べて量が限られており、貴重な存在だそうです。
子どもたちにも食べてほしい「こどもお弁当のり」
「子どもたちにも安心して食べられる、体に優しいのりを届けたい」という思いから生まれたのが「こどもお弁当のり」シリーズです。原材料には、「鷲羽のり」と同じく自社で育てた一番摘み・二番摘みののりが使われています。
シリーズ展開しているのは、次の3種類です。



「こどものための味付のり」は、子どもがやみつきになるほど好評で、あるお客さんから親しみを込めて「悪魔ののり」と呼ばれたこともあるのだとか。
南條海苔の代表取締役社長、南條雄二さんと、娘で商品企画・広報担当の南條洋子さんに、のりづくりについてお話を聞きました。
株式会社南條海苔のデータ

| 団体名 | 株式会社南條海苔 |
|---|---|
| 業種 | のりの養殖・製造・販売 |
| 代表者名 | 南條雄二 |
| 設立年 | 1974年 |
| 住所 | 岡山県倉敷市下津井4丁目1-4 |
| 連絡先 | 086-479-9125(平日午後1時〜午後4時) |
| ホームページ | 南條海苔 |







































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