働く本音ワークショップ(2026年7月8日開催)~ 倉敷市内の企業と大学生が、お互いの悩み事を交換して本音を語り合う90分

働く本音アイキャッチ

多くの人が人生で一度は体験するであろう就職活動

学生は企業に、企業は学生に対して「本当は聞いてみたいけれど、選考の場では聞けない」と感じることがあると思います。

それぞれが抱えている疑問や不安を解決するべく、倉敷芸術科学大学では「働く本音ワークショップ」が開催されました。学生と企業が、お互いの悩み事を相談し合い、本音を語り合うワークショップです。

イベント当日の様子を紹介します。

記載されている内容は、2026年9月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

「働く本音ワークショップ」とは

「働く本音ワークショップ」チラシ
「働く本音ワークショップ」チラシ

「働く本音ワークショップ」は、倉敷芸術科学大学のキャリア教育の取り組みの一環として、2026年7月8日(水)に開催されました。

ワークショップでは、「やりたい仕事が見つからない」と不安を抱える大学生と、「若手が集まらない」と悩む倉敷市内の企業が集まり、お互いの悩み事を相談して、意見交換を行いました。就職活動とは切り離された場で交流し、対等な立場で本音を話し合う、対話型のワークショップです。

当日は、倉敷芸術科学大学の芸術学部の学生が15名、倉敷市内の企業が6社参加しました。企業側からは、若手社員と人事・広報担当が参加しました。
参加企業は以下のとおりです。

  • 株式会社クラビズ
  • 萩原株式会社
  • ピープルソフトウェア株式会社
  • 合資会社ガラクタス
  • 株式会社モリ・フロッキー
  • 株式会社ジャスト

当日は、「働きやすさについて考えるアイスブレイクから始まり、本音を話し合う本音トークが2部制で行われました。各社テーブルごとに4、5名に分かれて、少人数で対話を進めていきます。

働く本音ワークショップ

アイスブレイク

アイスブレイクでは、一人一人が「今の自分が考える働きやすさ」について考えて、色画用紙に意見を書いていきます。書き終わった後、各テーブルごとに一人ずつ発表していきました。

各テーブルで「へ~!」「そうなんだ」と声が上がり、学生と企業で、捉えている「働きやすさ」に若干の違いが見えてきました。

画像提供:倉敷市
画像提供:倉敷市

企業側の回答では、9割程度の参加者が「人間関係」や「話しやすさ」「相談のしやすさ」など、職場の対人環境を挙げていました。社会人経験がある分、人間関係の大切さをより実感しているのかもしれません。

一方で、学生側は人間関係を重視しながらも、休みの取りやすさや勤務時間の長さ、福利厚生、給与といった、働く条件にも注目していました。社員の健やかな暮らしを守る環境が、会社の制度としてきちんと整備されているかどうか、気にしている学生が多いようです。

アイスブレイクの様子

休みを重要視する学生の中には、「休日に仕事の連絡はしないでほしい」と話す人がいました。コミュニケーションが取りやすい職場だと、つい気軽に連絡ができてしまうかもしれませんが、適切な距離感を守ることも考えたいですね。

アイスブレイクの様子

企業も学生も、人間関係を重要視する点は共通しつつ、学生はさらに働く条件を幅広く求めていることが分かったアイスブレイクでした。

アイスブレイクの様子

本音トーク①「学生から企業へ聞きたいこと」

続いて、本音トークの前半戦が行われました。

以下の「学生が企業へ聞きたいテーマ」の中から、学生が話し合いたいテーマを一つ選び、そのテーマを基に意見交換を行います。

学生が企業に聞きたいテーマリスト
学生が企業に聞きたいテーマリスト

「企業はどんな学生を評価する?どのような経験や準備がいる?」

ジャストのテーブル

株式会社ジャストのテーブルで選ばれたテーマは、「企業はどんな学生を評価しますか?どのような経験や準備がいりますか?」です。

学生からは「自分が企業でどう役に立てるのかを知りたい」「学生時代にできることがあれば準備したい」といった前向きな相談がありました。

企業側は、採用活動において、長期的に働けそうな人や、企業にプラスを与えてくれる人、面接を通じて一緒に働くイメージが湧く人を重視すると話しつつ、「運と縁」の要素が大きいと話します。

もし採用されなくても、「会社との相性やタイミングが合わなかっただけで、決して本人が悪いわけではない」と丁寧に伝えていました。

画像提供:倉敷市
画像提供:倉敷市

また、在学中の準備については、社会人と話す場数を踏んで自然な会話力を養うことや、相談相手の確保がおすすめだと話します。実体験に基づいたアドバイスに、学生も真剣に耳を傾けていました。

「芸術学部で学んだことや専門スキルは、仕事でどう活かせるのか」

画像提供:倉敷市
画像提供:倉敷市

株式会社クラビズのテーブルでは、「芸術学部で学んだことや専門スキルは、仕事でどう活かせますか」をテーマに話し合いが行われていました。

営業職に興味を持つ学生が、「デザインや芸術を学んでいるけれど、専門分野とは直結しない仕事にどう活かせるのかが知りたい」と企業に相談します。

クラビズのテーブル

企業側は、ディレクター職などを例に挙げて、「専門的な知識があると、クライアントに提案する幅が広がるので強みになる」と答えました。その一方で、専門スキル以上に「元気なあいさつ」や「コミュニケーション能力」などの、社会人としての基礎が重要であることも話します。

人事担当者は、学生に「たとえ大学の専攻と異なる職種へ応募しても、理由をきちんと話せるなら全く問題ない」と伝えていました。特定のスキルを磨いてきた学生たちにとって、心強いアドバイスだったと思います。

「新卒は入社後、どんな仕事から始めて、どう成長していくのか」

萩原のテーブル

萩原株式会社のテーブルで選ばれたテーマは、「新卒は入社後、どんな仕事から始めて、どう成長していきますか」です。

「求人票などを見ても、仕事内容や成長する流れが具体的に書かれていない」という悩みに対し、企業側は「文字数の関係で、企業が発信できる情報には限りがあるから、企業説明会やインターンで直接社員と話して、質問することが一番だと思う」と話しました。

また、文字だけの表面的な情報だけで企業を判断すると、ミスマッチの可能性が高くなることも、懸念点として伝えます。

画像提供:倉敷市
画像提供:倉敷市

さらに学生から「新卒には何を求めていますか?」と聞かれ、「正直、新卒を即戦力としては見ていない」と企業側の率直な意見を述べていました。入社後の数年間は仕事の土台作りの期間であると話し、今後働く際に、気持ちが少し軽くなるようなアドバイスが多く挙がりました。

本音トーク②「企業から学生へ聞きたいこと」

続いて、本音トークの後半戦が始まりました。先ほどと同様に、今度は企業が「企業が学生へ聞きたいテーマ」を一つ選び、意見交換を行います。

企業が学生に聞きたいテーマリスト
企業が学生に聞きたいテーマリスト

「今の自分の価値観や将来の考え方に、影響を与えているものは?」

モリ・フロッキーのテーブル

株式会社モリ・フロッキーが選んだテーマは「今の自分の価値観や将来の考え方に、影響を与えているものは?」です。時代の変化や環境の違いで生まれる世代間のギャップを知るために、お互いの価値観を深掘りする対話が行われていました。

モリ・フロッキーのテーブル

会話の中で、学生は自身のアルバイト経験から「呼び込み営業はやっても意味がないと思う」「自分がされたくないことは仕事でもしたくない」とリアルな価値観を話します。

また、働くことに関してどう考えているのかを尋ねられると「少し楽しみ」「自分に合う仕事が見つかるまで転職をしてみたい」といった、前向きな意見も出てきました。働くことが自分探しにつながる学生も、多いのかもしれません。

「企業を知るとき、どんな情報があると安心できるか」

テーマを書いた模造紙に、意見を書いた黄色いふせんを貼っていく参加者の手元

ピープルソフトウェア株式会社のテーブルでは、「企業のことを知るとき、どんな情報があると安心できますか?」をテーマに話し合いが行われていました。

学生は、きれいな面だけを見せている企業には不安を感じるようで、飾らない企業の姿を知りたいといった意見が多く上がります。

ピープルソフトウェアのテーブル
ピープルソフトウェアのテーブル

例えば、「生活する上で、額面だけではない給与(収入)も分かるとうれしい」「固定残業代の実態が怖い」といった声もありました。学生にとって、給与に関する質問を企業に尋ねるのはハードルが高いため、給与の実態をきちんと明記することが安心感につながるようです。

採用活動において、会社の良さを発信することはもちろん、良い面だけでなく、懸念点も誠実に伝えることが大切だと思いました。

「地域で働くことや、まちづくりに関わることをどう感じるか」

テーブルを囲み、模造紙とふせんを使って意見交換する企業と学生

合資会社ガラクタスのテーマは、「地域で働くことや、まちづくりに関わることについてどう感じますか?」です。

学生は、地域貢献への関心も高く、山での就職を希望する学生が2名いました。まちづくりへの興味・きっかけや、地域貢献への思いについて対話を重ねていきます。

ガラクタスのテーブル

まちづくりに興味を持つ理由について、岡山出身の学生は、「自分の生まれ育った街が発展していく部分に関われたら、やりがいを感じられそう」と話します。また、県外出身の学生は、「まちづくりの授業を通して、岡山は新しいことに挑戦しやすい風土があると感じた」と岡山の魅力を語りました。

地域で働くことは、自分らしく社会とつながることなのかもしれません。日本全国が人手不足に悩む時代。岡山に残り、地域のために働きたいと考える学生がいることにうれしく思いました。

おわりに

本音トークを見学しながら、筆者も学生時代に抱えていた就職への不安を思い出していました。

自分に合う企業は、実際に就職してみないと分からないことも多いと思います。しかし、社会人の先輩が伝えてくれたリアルなアドバイスは、就職活動の際にきっと背中を押してくれるはずです。

学生も企業もお互いの本音を聞けたのか、イベント終了後はすっきりとした表情の人が多かった印象です。ワークショップを通じて、学生が自分らしく働ける企業を見つけるきっかけになったら良いなと思います。

働く本音ワークショップのデータ

働く本音ワークショップ(2026年7月8日開催)~ 倉敷市内の企業と大学生が、お互いの悩み事を交換して本音を語り合う90分
名前働く本音ワークショップ
開催日2026年7月8日(水)
場所岡山県倉敷市連島町西之浦2640番地

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この記事を書いた市民ライター
岩佐りつ子
岩佐りつ子

ずっと住んでいた神奈川を離れ、2023年12月に地域おこし協力隊として倉敷に移住しました。

縁もゆかりもなかった倉敷のまちは、見るもの、出会うもの、全てが初めてづくし!毎日の暮らしに居心地の良さを感じています。

移住者目線を忘れずに、倉敷の魅力を伝えていきたいです。

こんにちは、地域おこし協力隊です

県外から倉敷市への移住をより一層進めるため、Webを通じた生活者目線での情報発信や、移住関連イベントへの協力をミッションに活動しています。

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