【閉店】ノラネコ食堂真備店 ～ ボリューム満点な定食とお酒に合うおつまみ。地元の人が集まる親しみやすいお店

「ノラネコ食堂真備店」オーナー・RACCO(ラッコ)さんインタビュー

「ノラネコ食堂」が真備で新規オープンした経緯について

真備町で「ノラネコ食堂」をオープンした、いきさつについて教えてください。

RACCO

平成30年7月豪雨後、最初は真備町の岡田・二万(にま)・薗(その)地区の避難所へ炊き出しでまわっていました。

川辺地区では避難所がなく、川辺小学校に集まっているかたが多くいると聞き、炊き出しの要請があって。そこから、基本的に川辺小学校で炊き出しを行うようになりました。

一つの場所で炊き出しをしていると、「川辺復興プロジェクトあるく」のかたや地元のかたとの交流が増えていきまして。

そこで、「働く場所がない」「職人さんがご飯を食べるところがない」という声を聞いたのがキッカケです。

ちょうどそのころに、炊き出しという形でなく、「そろそろお金をとっていただけないか」と言われ始めてたんですよ。

それなら真備町に食堂のようなお店をオープンしてみるのはどうだろうかと提案しました。お客さんからいただくお金が店で働く地元のかたの賃金になるのであれば、問題の解決につながると考えました。

ノラネコ食堂真備店の店名の由来について

店名の由来をお話していただけますか。

RACCO

自分の会社名「有限会社ノラネコ商会」からですね。

会社は、催事出店や出張ケータリング事業、アパレル・服飾雑貨の製造販売、災害支援事業などを主に行なってます。

「ノラネコのこびてない独特のかわいさ」が自分の性にあっているというか。まぁ、特に深い意味はないんですよ。

「真備店」とつけたのは、真備町でオープンするから真備って店名に入っていたほうがいいかなぁと思ってつけました。

あとは、のちのちの海外進出もねらって。それは冗談ですが(笑)

真備町になじみやすいお店づくり

ノラネコ食堂さんは夏は冷麺に冬はおでんと、季節限定メニューもありますよね。おすすめのメニューや、お店のこだわりについて教えてください。

RACCO

実は、メニューや味に力を入れたりしてはないんです。社員食堂くらいのちょうどいいくらいの味を求めているというか。

小さな町なので、お客さんの「これが食べたい」という声に、できる限り応えるよう努力していこうと思っています。

この町で実際に利用してくれているお客さんの話にあわせて、町になじみやすいお店になればいいですよね。

真備町の特産となる惣菜味噌「飯取物語」について

真備町産のたけのこを使った「飯取物語」が誕生したいきさつは？

RACCO

真備町を再建するために働く職人さんの数は、復興がすすむにつれて減っていきました。もちろん、それによって、店の売上が減少するのは想定していました。

店内飲食以外の売上げを確保するためと、真備町外のかたにも被災された真備町の特産品を味わってほしいという意味をこめて、「飯取物語」を作りました。

2020年の春から、系列店舗の「RACCOS BURGER(ラコスバーガー)」での販売や、通販を始めました。道の駅などでも販売できたらいいなぁと話をすすめているところです。

今後のノラネコ食堂について

2019年8月にオープンしてちょうど1年になりますね。この1年、今どう感じていますか。

RACCO

新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年の4月末から5月中旬の約1ヶ月休業したとき、「お店が開いてないと困る」といった地域のお客さんの声を聞きました。

飲食店として真備町に存在した意味があると感じて嬉しかったですね。

ノラネコ食堂の今後については？

RACCO

お店は基本的に、ここでやっている意味がなくなったら撤退しようとは思っています。もちろん、続けてほしいという声がある限りは、そのために採算をあわせていこうと考えてます。

時期を見計らってにはなりますが、夜のメニューはもっといろんな提案をしていきたいですね。

これといった特徴のある店ではないですけど、よかったらゆっくりしていってください。

おわりに

ノラネコ食堂は、真備町にそっと寄り添ってなじみつつある、昭和の懐かしい雰囲気を味わえるアットホームなお店です。

「まだ行ったことない！」というかたは、気軽にのれんをくぐってみてはいかがでしょうか。

気さくなお店のかた、お酒がすすむおつまみとご飯がおかわり無料な定食…などなど、魅力がいっぱいです。

筆者も毎月通う、「ちょうどいい」がくせになるノラネコ食堂。

真備町で長く愛されるお店になればと思います。